☆サイエンスイラストレーション・スクール2012

8月28日〜30日の3日間、名古屋大学にて行われた、サイエンスイラストレーション・サマースクール2012に行って来ました。
昨年は受講生として参加。
今年は、講師サポートとしての参加です(^^ゞ



サイエンスアート(&イラストレーション)は、
科学の知識とアートのスキルを融合させた、
科学を視覚化して分かりやすく”翻訳”する、歴史ある学術分野です。
特に医学とアートの関係は強く、かのレオナルド・ダ・ヴィンチも、
平賀源内も、立派なサイエンスアーティストだったわけです。


私達の生活と深く関わりあるサイエンスアートなのですが、
欧米に比べると、日本ではとてもその教育システムが遅れており、
現状ほとんど皆無と言っていいぐらいです。
日本においては、リアル系イラストレーターたちが、
建築・プロダクト・図鑑・図解説明などの仕事の一つとして描いており、
医療や化学の知識を併せ持ち、専門業務として行なっている人は
殆どいないと思います。

このスクールイベントのコーディネイターをしておられる、
ニューヨーク在住の奈良島 知行 氏は、
サイエンスイラストレーターとしてご活躍の傍ら、
日本でこの分野の啓蒙に奮闘されています。



ここからは、名古屋大学でのスクールのレビュー。
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今回のメイン講師は、米 ジョンズ・ホプキンス大学医学部 医療アート専攻
助教の Jennifer E. Fairmanさん。

左がジェニファー先生。お若いです(^^ゞ。
スクールは基本全て英語ですが、
通訳としてコーディネイターの奈良島氏がサポートを行います。

今回の受講生達は、医学・理学・農学系の大学生・院生が中心で、
医師、サイエンス系雑誌の編集者、各種研究機関などの一般参加の方も。
アート系からの参加が2名だったのは、寂しい感じです。

スクールの内容は、以下の3点。
●サイエンスアートの概要と歴史のレクチャー
●頭蓋骨をモチーフにデッサン、着色、ラベリング(レイアウト)の実習
●作品の合評会
その他、ウェルカムパーティや、講師陣の作品展示見学も。


☆1日目の午前中は、座学。
サイエンスアートの歴史、現況、大学でのプログラムなどを、
プロジェクターを見ながら学びます。


☆1日目午後〜2日目午前/ドローイング実習。
今年も昨年に続いてSkull(頭蓋骨)がモチーフ。
オブザベーション・ドローイングがポイントです。
オブザベーションドローイングとは、実物やモデルなどを実際に観察して描く、基本的かつ重要不可欠なスキル。写真などはあくまで、参考資料として観ます。

ドローイングの元となる頭蓋骨を撮影。
デッサンの補助のために、グリッドを付けてあります。
今年は、正面から。




グリッドを利用したモデル撮影方法のレクチャーも。

実物・写真を見ながら、水彩紙に鉛筆で仕上げます。

まずは、トレーシングペーパーに下絵としてスケッチ。
その後、水彩紙に本描写します。
講師のジェニファー先生のドローイング模範中。

☆2日目午後〜3日目午前/デジタル作業
7時間ほどで完成させたドローイングデッサンをスキャニングし、
Photoshopにて、更に描き込みます。(基本はグレートーンです。)



最後に、画像をillustratorに取り込み、
書籍の1ページとして、各部の名称などをラベリングしていきます。




☆3日目午後、プリントアウトして最後の合評会。(^^ゞ

ジェニファー先生が、一人ひとり細かくチェックしてくれます。

ジェニファー先生の講評ビデオをほんのちょっと♪





合評会終了して、講師ジェニファー先生にプレゼント!!
Whao!!\(^o^)/
スタッフの斉藤先生(名古屋大学)から。
皆さんお疲れ様でしたあ〜〜っ!
右は、コーディネイターの奈良島氏。



さて、サイエンスイラストレーション・サマースクールは、
昨年2010年より、東北大学・筑波大学・名古屋大学にて行われており、
受講者の作品は、各大学にて展示される他、「サイエンス・アゴラ」と呼ばれる、サイエンス・コミュニケーションのイベントでも展示されています。

名古屋大学でのスクール開催は、あいちサイエンスフェスティバルの一環で、10月には受講者の作品展も行われます。




スクール講師サポートとして参加させていただいた今回、
また新しいいろいろな発見があって、有意義な3日間でした。\(^o^)/

2 件のコメント :

tomo narashima さんのコメント...
エンド 譲 さんのコメント...