★iPS細胞のような世界観。

〇〇画家、〇〇アーティストと自らを称する人々がいます。水彩画家、水墨画家、パステル画家、日本画家、クレイアーティスト、ペーパーアーティスト・・・。


正直言ってアーティストは、ヤクザな商売。
どんなスタイルでも、自分で名乗って名刺でも作ってしまえば、
すぐにでもアーティストになれる。

ストック作品から

ただ、ヤクザな故に人にはどんなことをやっているのか判別しにくい。
故に、自らが使う画材やマテリアルを看板に押し出して、
油彩画家・折り紙アーティストなどと名乗ることは、
自分の作り出す商品を明確にする上では重要なことなのだ。
スタイル・商品に自信を持っていて、人と差別化出来るのであれば、
明確に名詞化したほうが人への理解度も高いので即効性がある。

一方、自らのスタイルを名詞化して固定してしまうことを嫌う人も多い。
時間と共に成長し変化していくはずのスタイルを、
一時的にせよ、ペグを打って固定化することを嫌うのだ。
この場合は、作り出す世界観の輪郭が明確でないと受け手は混乱する。
作品発表のたびに、画材やモチーフも違っていては、
「あの人の言いたいことは、いったいなんなの?」となってしまう。

さて、ボクはといえば、後者のタイプです。
画材そのものや表現手法には、それほど拘りはありません。
WEBサイトの掲載作品にも、画材などの表示はしていませんし、
アナログかデジタル化の明確な説明もしていません。

実は、そこに狙いがあります。
アーティストの重要な戦術である画材や手法やモチーフに頼らず、
世界観という大きなネットで包み込む戦術。
イラストレーションというカテゴリーは強みではありますが、
全てではありません。
ずるい?
かもしれませんね。
ある意味、うまくいかなくなった時の逃げ道を考えているようにも思えます。
でも、それが自らをブランディングするための基本戦略なのです。

iPS細胞のように、どんな臓器にでも進化していく可能性を秘めた世界観。
それが自らの理想です。

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